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先週の月曜日の昼休み、休憩室に向かう途中でばったり推し同僚さんに会いました。
週末は休めましたか？とたずねると、休めたけれど家族が入院しているので、と沈んだ表情でした。
しまった。うかつ。
ご家族が病気なのは知ってたのに、なんて気遣いのできない間抜けな質問をしたんだろう。
どうしよう、何て言えばいいんだろう。
言葉を探している内に推し同僚さんは行ってしまいました。
バレンタインデーには毎年恒例でチョコをプレゼントしています。
カードも添えるのですが、力になりたいと書きたいと思いました。
イラつきドス効きモードにびびったくせに。
でも沈んだ顔が目に焼き付いていて離れなかったからです。
しかしその週は一段と父に振り回され、そんな父にキレる母に胸が悪くなりました。
こんな状況で誰の力になれるって言うんだろう？
いやなれはすまい。
カードには日ごろの笑顔へのお礼を書くだけにとどめる事にしました。
3連休は中心市街地にくりだしました。
百貨店でバレンタインの催事があるので、そこでチョコを調達したかったのです。
フーシェのオリンポスがあるといいな。
去年は会計を済ませた後に存在が気が付いたのです。
とてもきれいでした。
バレンタインの催事はコロナ前よりも出店が減りました。
通路を広めにとるためでしょう。
地元のお菓子屋さんの他にも全国展開のお店や都会の有名店が来ていました。
父には毎年ヨックモックのチョコがけバームクーヘンを買います。
ホワイトチョコと普通のチョコが詰め合わされていて、ホワイトチョコならカフェインが少ないので私もお相伴にあずかれるので(笑)
女子同僚でつまんでもらう用には、2000円程度の可愛いパッケージを探しました。
去年までは1000円台に抑えていたのですが、安っぽいと思われたのか若い子達は手を付けませんでした。
猫パッケージのチョコがあり一瞬それにしようかと思いましたが、犬を飼っている人が結構いるのでやめておきました。
レトロポップで一味違う内容の製品があったので、それにしました。古臭いパッケージに思われるかな？と思ったのですが、内容がおもしろすぎました。
ぐるっと一回りしましたが、フーシェは来ていませんでした。
がっかりです。
気を取り直して、華やかなチョコを探す事にしました。
もう一回りしてデジレーのチョコに決めました。
きれいでした。
レジに向かうと、うげっ。
行列が出来ていました。
中間地点に5分待ちの札が出ていたので、私が取りついた位置は10分と言う事になります。
スマホでXを見ながら時間を潰しました。
途中で店員さんが手提げ袋を必要か聞きに来ました。
デジレーは既に袋をくれていたので、残りは同僚女子と父の分ですが不要と答えました。
マイバッグがありますしね。
全部で5000円を超えましたが、これで笑顔が見られるなら安いもんです。
帰宅して早速父に上げました。
そして早速一切れ貰いました。
美味しかったです。バームクーヘンは外れないですね。
バレンタイン当日。
推し同僚さんへのデジレーの手提げ袋にチョコとカードを間違いなくセットして、それからマイバッグへ。
女子同僚のチョコも入れて、忘れ物が無いように何度も確認してから出勤しました。
女子同僚のチョコは休憩室のテーブルの上へ。
推し同僚さんのチョコはマイバッグに入れたまま情シスへ出勤しました。
待ち合わせは業務時間終了後の情シス付近の人気のない通路です。
女子同僚へは一人一人に、休憩室にチョコあるから食べてね、と声を掛けました。
去年までは各グループ一人に声をかけて、皆に伝えてねとお願いしていました。
効率的だと思ったので。
でも手抜きだと思われたのかもしれません。
そう思って今年はやり方を変えました。
お昼休みの休憩室では、休憩時間が一緒だった子たちに改めて勧めました。
パッケージが可愛いと喜んでくれました。
良かったー古臭いと思われなくて。
中の一人が、箱が空いたらもらっていいですか、とまで言ってくれました。
嬉しかったです。
仕事中に係長が、実は今日飲みに行くのでちょっと早く上がってもいいですか？と言いました。
ラッキー。係長の目を気にしないで済む。
いいですよ、と笑顔で同意しました。
業務時間終了後。
推し同僚さんのフロアに行きました。
早速目が合いました。
小さくうなずき合って、情シスに取って返しました。
チョコを後ろ手に隠しながら通路に待機。
足音が近づきます。
来た！
と思ったら違う人でした。
適当に挨拶しました。
その人が居なくなった後にまた足音が。
今度こそ！
推し同僚さんでした。
毎年すみませんと恐縮されました。
楽しくてやってるので遠慮なさらず、と言うと、にこっと笑顔を見せてくれました。
目尻の笑い皺がチャーミングでした。
チョコを渡すと、ありがとうございますと言う声が嬉しそうに聞こえました。
推し同僚さんが立ち去った後は、気持ちがふわふわでした。
浮ついた気分で仕事をすると、集中できないったらありゃしない。
いつもなら浮ついた気分を抑える工夫をするのですが、それすら思いつきません。
30分ぐらい要領を得ない仕事ぶりを続けましたが、浮ついたままだと幻聴が聞こえてしまう事を思い出しました。
ありがとう推し同僚さん、笑顔を見せてくれて。
心の中でお礼を言うと、ようやく落ち着きを取り戻しました。
素敵なバレンタインでした。
