統合失調症はダウンシフトの夢を見る

統合失調症はのらくら生きたい

止まない雨の中を合羽を着こんで歩いてく

統合失調症の発症時期によってはホームレスになっていたかもしれない

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 私の母は性格がきつく支配的な人でした。
 私が子供の頃に私の将来を勝手に、教師か公務員か専業主婦と決めていました。
 私が教職課程に進まず、卒業後も地元の民間企業に就職すると、「私をバカにするのか!」とキレていました。
 その企業の人事異動に納得できずに退職すると、ほれ見た事か!と嘲笑いました。
 そんな母が嫌で、都市部で一人暮らしを開始したのでした。年末年始とお盆には帰省しましたが、都市部に骨を埋めるつもりでした。

 母が変わったのは、10年ほど前に胃癌で胃を全部摘出してからです。手術には、締め切り間際だったので立ち会いませんでした。
 年末に帰省すると、瘦せ細った母は、「あなたの人生なんだから、あなたの好きに生きて」と言いました。
 それ以降は、依然と比べると驚くほど穏やかになりました。

 もし、自活する前に統合失調症を発症していれば、家に閉じ込められて外とは関われなかったでしょう。
 もし、母が変わる前に発症していたら?
 実家に戻る選択肢はありませんでした。
 貯金が無くなるまでアパートに引き籠り、その後は追い出されてホームレスになっていたと思います。生活保護は思い付かなかったと思います。陽性症状で、具体的論理的な思考は出来なくなっていましたから。

 だから、ホームレスなんていなくていいと言う意見を見聞きすると、苦しくなります。
 私もそうなっていたかもしれないんです。今、家に居られるのは、たまたま母が胃癌になったからなんです。
 ホームレスになる可能性は、誰もが結構身近なのだと思います。
 ホームレスでもいい、と言ってもらえる世の中になってほしいです。