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V.I.の『コールド・リバー』を読みました。

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サラ・パレツキー著V.I.ウォーショースキーシリーズの新作『コールド・リバー』を読みました。

シカゴの女探偵V.I.との出会いは中学生でした。
兄が「これ面白いぞ」と貸してくれたのです。
読んでみて衝撃を受けました。

当時の私の周囲は、女は結婚して専業主婦になるのが当たり前でした。
親戚の殆どが専業主婦。
叔母が独身で看護師をしてはいたのですが都会暮らしで疎遠気味でした。
中学生になる頃には結婚して専業主婦なんて自分には無理だと言う自覚はありました。
しかし身近に自立した女性のロールモデルは居なかったので、迷い悩む最中でした。

V.I.はシカゴの下町生まれで空手が出来て、暴漢も撃退してしまう腕前です。
恋人は出来るけれども結婚して依存しようなんて考えもしない。
悪態ついて滑って転んで泥まみれになって時に涙が出る事もあるけれど、長いものに巻かれたりしない。
巨悪に脅されても屈せず立ち向かう、タフでクールな人です。
憧れました。
私は運動能力無し無しなので探偵なんて無理だけれど、手に職付けて自立して生きて行こう。
そう思わせてくれたのです。

V.I.は錆びれません。
最初はタイプライターで報告書を打っていましたが、やがてパソコンを導入しネットも使いこなします。
そしてiPhoneを手にしクラウドを活用し、テクノロジーにも乗り遅れない。

V.I.はいつも私の先を走っていました。
40歳の壁を飛び越える姿に安心感を覚え、50歳になっても格闘している姿に刺激を受けます。
どこまでも追いかけていきたいです。

そんな彼女の新作はホームグラウンドのシカゴでワンコの散歩中にワンコが負傷した女の子を発見した事から事件に巻き込まれます。
今作はとにかく物語の疾走感が凄い。
謎を追う立場からいつしか追われる立場になり、息もつかせぬ展開になだれ込みます。
上下巻の大作ですが、一気に読みたくなる自分を抑えるのに苦労しました。
映画にしてほしいぐらいです。
スリルとサスペンス好きな人にお勧めです。