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『ゴーストマン 消滅遊戯』を読みました

ご訪問頂きありがとうございます。

ロジャー・ホッブス作の前作『ゴーストマン 時限紙幣』を読んだのは統合失調症陰性症状が抜け始めた頃です。
活字を読むのもリハビリになると医師に聞き、最初は新聞から始めネットコラムに進み、そろそろ長編小説も読めるようになった頃。
その頃は図書館の海外文学コーナーをさ迷って、面白そうなタイトルの本を読む事を繰り返していました。
その中の一冊でした。

ゴーストマンは自在に外見と振る舞いを変えて、犯罪に加担しては姿をくらますフリーランスの犯罪者。
時限紙幣では時限爆弾を仕掛けられた紙幣の強奪に無理やり参加させられるストーリーでした。
ハラハラするストーリーと散りばめられた犯罪トリビアが面白かったです。

その続編があると知って、Amazonでお安くなっていたのを機に購入しました。

今作は冒頭しばらくは主人公は出てきません。
第3者の目線で始まります。
場所は海上
狙うは密輸業者のサファイア
困った事に第3者は殺人が好きなので、血なまぐさい展開となります。
そして密輸船を襲ってみるとサファイアだけでなく、ある物も見つかります。それが何かはしばらく明かされません。
気になって仕方がない所へ、そのある物を狙う追跡者が現れますが、この追跡者もまた殺人好きで、いっそう血なまぐさくなります。

この強奪にどう主人公が絡むかと言うと、強奪を計画したのが主人公の師匠だった事によります。
師匠に追跡者の手が迫り、師匠は主人公に助力を求め、主人公は血しぶきが煙る追跡劇に巻き込まれていきます。
さらには地元の犯罪組織にまで狙われる事になり、絶体絶命の危機となります。
この危機からどう逃れるのか?
ハラハラしながらページをめくる手が止まらなくなります。
例によって散りばめられた犯罪トリビアと、舞台となるマカオのダークサイドの緻密な描写に怖いもの見たさの好奇心も掻き立てられます。
スリルが好きな方には前作と共にお勧めです。

後書きを読んで知ったのですが、ロジャー・ホッブスは28歳で亡くなっているそうです。
時限紙幣のは大学生の時に書いたのだとか。
もっと長生きして沢山のゴーストマンや他の小説を書いてほしかった。
『ジャック ゴーストマンの自叙伝』と言う短編も無料で配信されているようなので読んでみようと思います。
惜しい人を亡くした。
心からそう思います。