統合失調症はダウンシフトの夢を見る

統合失調症はのらくら生きたい

止まない雨の中を合羽を着こんで歩いてく

統合失調症が転機となって結果的に良かった事2

今回書く事もdamemon個人の生き方に関する事であり、統合失調者に共通する事ではありません。

 療養の為に実家に戻っても、陽性症状が出ている間は脳が活発過ぎる状態ですので、じっとしていられません。
 とは言っても、田舎ですから、出かけようにも娯楽施設もカフェすらも程遠く、公共交通も発達していませんので、散歩ぐらいしかできません。毎日ひたすら歩いていました。
 リスパダールでの治療を始めて3ヶ月程たったある日、傍を通り抜けた車の音がやけにはっきり聞こえました。
 びっくりしていると、葉擦れの音や、鳥の声も大きく聞こえます。
 何でだろうと考えると、幻聴が聞こえないのです。
 幻聴が聞こえている間は、それに頭が占められて、こう言った音は意識に上らない事が多いので、びっくりした訳です。
 世界が戻って来たと言ったら大げさかもしれませんが、当たり前の音が当たり前に聞こえる事が、とても幸せに思えたのです。
 それ以来、穏やかな日々を過ごせるだけで、自分の中が静かであるだけで幸せだ、と思えるようになりました。

 発症前は、夢や目標を達成する事、それにむけて没頭するほど努力する事が幸せだと考えていたので、大転換です。
 これに合わせて、生き方そのものも、ゆるくなりました。
 もし、病気にならなかったら、睡眠時間を削ってゴリゴリ頑張る生き方を続けて、身体を壊すか、うつ病などの他の精神疾患にかかっていたと思います。
 自分にとっては、これで良かったのだと思います。